どのくらい漂っただろう・・・
大きな客船が近くを通って行った
甲板からは
賑やかな音楽と笑い声
誰かが私をみつけ困った顔をしたが
明るい光の中に戻って行った
ふと気付くと
小さな船が近づいてきて
やさしそうな人が手を差し伸べてくれた
しかしその小さな船には
私より助けの必要な人がのっていた
私がつかまっただけで大きく揺れ
きっと沈んでしまうだろう・・・
少しの水をもらって
小舟から離れた
胸の痛みは和らいだ
少し泳ごうかな・・・